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2026年03月16日

レンタルスタジオ

TSとTRSケーブルの決定的な違い

◼︎はじめに

レコーディングスタジオやライブ現場で、最も頻繁に使用される「標準フォンプラグ」。
見た目がそっくりな「TS」と「TRS」ですが、その中身と役割は全く別物です。
「音が鳴ればいい!」と混同して使うと、ノイズの原因になるだけでなく、本来の音質を損なうことにも繋がってしまいます...。
今回は、機材のポテンシャルを引き出すために知っておきたい、「TS」と「TRS」の構造と使い分け方について解説します!


1. 【構造の違い】 信号の数を確認する

プラグの先端にある、絶縁リングの数は、そのまま内部の芯線の数に対応しています。
•TS(Tip-Sleeve)プラグ
o 見た目: リングが1本。
o 内部: 2芯構造(信号(HOT)+アース)。
o 役割: ギターやベースなどの楽器、エフェクター間の接続に使う「アンバランス伝送」用です。
画像①.jpg


•TRS(Tip-Ring-Sleeve)プラグ
o 見た目: リングが2本。
o 内部: 3芯構造(HOT+COLD+アース)。
o 役割: 1本で「ステレオ信号」を送るか、ノイズに強い「バランス伝送」を行うために使われます。
画像②.jpg


2. 【伝送の仕組み】 HOTとCOLDがノイズを除去する理由

TRSケーブルがプロの現場で信頼される理由は、内部にあるHOT(正相)とCOLD(逆相)という2つの信号線による 「ノイズキャンセリング機能」 にあります。

1.信号を逆さまにして送る

出力側の機材が、元の音(HOT)と、それを上下真っ逆さまにした音(COLD)の2種類を同時に流します。


2.ノイズが乗る

ケーブルを通る間に外からのノイズが混じりますが、これはHOTとCOLDの両方に「同じ向き」で乗ります。


3.最後にひっくり返して重なる

受け側の機材で、逆さまだったCOLDをもう一度ひっくり返して元に戻します。
すると、元の音は重なって大きくなり、同じ向きに乗っていたノイズだけがプラスマイナスゼロで打ち消し合います。


この仕組みがあるからこそ、長いケーブルを引き回してもクリアな音質を維持することができます。


3. 間違った接続が招くトラブル

「端子の形状が同じだから...」と適当に繋ぐと、以下のような音響トラブルの原因になります。

•「センターの音が消える」中抜き現象
スマホなどのステレオ出力を、モノラル入力のTRS端子に直接入れると、左右の音がHOTとCOLDとして処理されます。
すると、真ん中に定位するボーカルやベースの音などが打ち消し合ってしまい、極端に細い変な音になってしまいます。
もし、スマホからミキサーに繋いで音を出したい時は、Y字ケーブル(TS×2-ミニステ)を使うようにしましょう。


•アクティブ楽器の誤作動
電池を使うアクティブ・ベース等にTRSを挿すと、プラグの形状の違いで電源回路が正常に閉じません。
音が出ない、あるいは電池が異常な速さで消耗する原因になります。
そういった楽器には必ずTSを使いましょう。


バランス接続の無効化
機材側がバランス対応(TRS)であっても、ケーブルにTSを使ってしまうと、その瞬間に「アンバランス接続」へと格下げされます。
ノイズ耐性が失われ、機材本来の性能が発揮できなくなります。


◼︎おわりに

いかがでしたでしょうか?
TSとTRSの使い分けは、音響の基本中の基本です。
自分の機材の端子が「BALANCED(バランス)」か「UNBALANCED(アンバランス)」かを確認し、それに適したケーブルを選ぶ。
このひと手間で、スタジオでの音作りはもっと確実でクリアなものになります!


是非、次のスタジオ練習の際には、レンタルするケーブルをTSとTRS、どちらにするのかを意識してみてください!