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2023年11月30日

PAスピーカーの種類を学ぼう!

■ はじめに

音楽スタジオやライブ会場などで、聴衆や演者が音を聴くために必ず必要となる最重要な音響設備が「スピーカー」です。
今回はPAスピーカーの種類や用途について解説していきます!

■ スピーカーは大きく2種類に分けられる

スピーカーは、音を出力する方式によって、大きく以下の2つに分類されます。
設置する場所やシチュエーションによって使い分けられることが多いです。

(1) パワードスピーカー

こちらは出音に必要な電源がスピーカー本体に組み込まれており、音声信号を受けられればスピーカー単体で大音量を出すことが可能です。

電源が本体に組み込まれていることで省スペースでの設置が可能で、路上ライブや小規模なライブ・コンサートなど持ち運びでのシチュエーションで使いやすいスピーカーです。

また、後述のパッシブスピーカーのようなパワーアンプを必要とせず、「音質に影響を及ぼす要素が少なくなる=フラットな音質にしやすい」ことから、レコーディングスタジオ等に使用されるモニター用スピーカーにパワードが使用される例が多く見受けられます。

(2) パッシブスピーカー

パワードスピーカーとは異なり、音を出すための電源の供給(パワーアンプ)が別途必要となります。
音を出すためには必ずパワーアンプとの接続が必要となるので、ライブ会場や家庭(オーディオ愛好家など)など固定での設置に向いています。

■ 使用用途におけるスピーカーの種類

(1) メインスピーカー

主にライブ会場などで聴衆に音を届けるための大型スピーカーを「メインスピーカー」と呼びます。
ステージ両脇にステレオで設置されることが多く、会場内で使用されるスピーカーの中で最も出力が大きくなることがほとんどです。

アリーナ・スタジアムクラスの会場になると、より多くの聴衆に音を届けるべく複数の「ラインアレイ・スピーカー」が使用されることが多いです。

(2) サブウーファー

メインスピーカーで十分に鳴らしきることの難しい低音域にフォーカスし、増強するための専用スピーカーを「サブウーファー」と呼びます。
ロックバンドのライブや、ダンスミュージックを流すクラブなどでは、迫力と明瞭感のある低域が重要となるため、特に設置率が高いです。

(3) フロアモニター

ここまで解説したスピーカーとは異なり、聴衆ではなく演者に向けて使用されるのがフロアモニターです。
スタンドなどには立てず演者の足元に設置されることが多く、「コロガシ」と呼ばれることもあります。

演者によって求めるモニターバランスは異なり、ロックバンドのライブで例えると「ボーカルには歌っている声を大きめに」「ドラマーには同じリズム楽器であるベースの音を大きめに」など各々の要望があるケースが多々あります。

その要望に沿って、メンバーごとに最適なモニターバランスを実現するため、ステージ上には4台以上(会場規模により増減あり)設置されることがほとんどです。

(4) モニタースピーカー

「パワードスピーカー」の説明で先述したように、レコーディングスタジオなど細かい音のチェックに使用するスピーカーには色付けの少ないフラットな音質と高い解像度が求められます。

そのような用途・目的で設置されるスピーカーがモニタースピーカーです。
最近では各メーカーから自宅用として最適なサイズの小型のモニタースピーカーがリリースされており、中古市場でも多く出回っています。

■ 最後に

いかがでしたでしょうか?
私たちが普段耳にしている音楽の裏側には、このように多くの種類のスピーカーがあります。
ライブ会場・イベント会場やスタジオなど、機会があればぜひスピーカーにも注目してみてください!