2025年01月22日
レコーディング
コンデンサーマイクとファンタム電源
▪︎はじめに
レコーディングのときに使用されることの多いコンデンサーマイク。
「セルフでレコーディングをしてみたいけど、コンデンサーマイクがどんなものかわからない...」という方も多いのではないでしょうか?
今回は、ダイナミックマイクと比較しながらコンデンサーマイクについて紹介していきます。
▪︎ダイナミックマイクとコンデンサーマイクの違い
・ダイナミックマイク
ダイナミックマイクは、電磁誘導を利用して音声信号を得るマイクです。
マイクの内部に振動板(ダイヤフラム)とコイル・磁石があり、空気の振動(音)により振動板が動くとコイルが磁石の磁界の中で振動して電気信号が生じる仕組みになっています。
ダイナミックマイクは、コンデンサーマイクに比べ振動や大音量への耐久性があるので、おもにリハーサルやライブなど大きな音が出る環境で使用されることが多いです。
また、電源供給が必要なく、ミキサーとマイクをXLRケーブルで接続すればすぐに使用することができます。
ダイナミックマイクの代表例として、SHUREの「SM58」やSENNHEISERの「e945」などがあります。
・コンデンサーマイク
コンデンサーマイクは、内部にある振動板(ダイアフラム)と固定極(バックプレート)の間にあらかじめ電気を貯めて、入ってきた音により振動板が動くと電圧が変わる原理を応用しています。
コンデンサーマイクは、ダイナミックマイクに比べ感度が高く、繊細な音を録ることができます。
とくにボーカルの録音では、感情表現や抑揚まで再現することができ、歌詞の伝達がしやすい利点があります。
その一方で、ダイナミックマイクより音圧に弱いので、セッティングする位置やソースとなるサウンドの音量には注意が必要です。
繊細なマイクであるがゆえ、振動やポップノイズを拾いやすく、レコーディングをするときはサスペンションホルダーやポップガードを使用し、雑音が入らないようにするのが理想です。
また、衝撃や湿気に弱いので、取り扱いや保管方法には要注意。サウンドスタジオノアでは温度・湿度を一定に保つためにデシケーターでコンデンサーマイクを管理しています。
コンデンサーマイクの代表例として、NEUMANNの「U87Ai」や「TLM103」、audio-technicaの「AT4050」などがあります。
▪︎コンデンサーマイクに必要な「ファンタム電源」とは
コンデンサーマイクには「ファンタム電源」と呼ばれる48Vの電源が必要です。
ファンタム電源とは、オーディオインターフェースやミキサーのマイクプリに備わっているもので、コンデンサーマイクに繋ぐXLRケーブルを経由してマイクに電源を供給する仕組みとなっています。
前述の通り、コンデンサーマイクは正しい取り扱いや使用方法を守らないと故障に繋がってしまう繊細な機材です。そのため、各機材に接続するときは正しい手順でおこなう必要があります。
オーディオインターフェースへの接続を例にみてみましょう。
▪︎コンデンサーマイクの使用方法
接続方法
(1)GAINが0の状態、ファンタム電源がOFFの状態になっているか確認する。
(2)コンデンサーマイクを接続する。
(3)ファンタム電源をONにして、少しずつGAINを上げる。
解除方法
(1)GAINを下げ、0の状態になっていることを確認してからファンタム電源をOFFにする
(2)電圧がコンデンサーに残っているので、20秒ほど待ってからマイクケーブルを抜く。
▪︎最後に
スタジオノアではダイナミックマイクだけではなく、コンデンサーマイクも種類豊富にレンタルしています。
また、セルフレコーディングに最適なスタジオや、初心者におすすめのサポートプランなどもございます。
試してみたいコンデンサーマイクが見つかった際は、ぜひお近くのスタジオノアまでご来店ください!