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NOAH NEWS|都立大店

【機材紹介】 CHANDLER LIMITED LTD-1

2026.07.16

マイクプリアンプを愛してやまない皆様こんにちは。

 

今回は、サウンドスタジオノア都立大店REC STUDIOに常設されている"CHANDLER LIMITED LTD-1"のご紹介です。

 

世界的にみても非常に希少で、日本語はおろか英語で検索しても商品情報やレビュー動画がほとんどヒットしません。

 

そのため、今回はプロのエンジニアの方や「機材オタク」の方向けに、かなりマニアックに掘り下げていきたいと思います。

長くなりますがどうぞお付き合いください。

 

画像①.JPG

 

パッと見てお気づきの方、ご明察です。

NEVE 1073をリプロダクションした製品です。

 

しかし、メーカー公式マニュアルにNEVE1073の「モデリング」ではなく「リプロダクション」と記載されているように、単に"あのサウンド"を再現しようと試みた製品に留まりません。

 

主な特徴はこちらです

 

①前に出てくるのにまろやかなサウンド

②拡張されたEQ周波数ポイント

 

それでは順番に、レッツ深掘り。

 

画像②.JPG

 

①前に出てくるのにまろやかなサウンド

 

U 87 Aiで録音したデモボーカルをお聴きください。

マイクプリアンプゲインは-30の位置に設定し、出てきた信号をパッチ盤経由でAVID CARBON(オーディオインターフェース)に入れて、常設のProToolsで収録しました。

 

音源①.wav

画像③.JPG

 

いかがでしょうか。

筆者の感想としては、オリジナルのヴィンテージっぽい雰囲気は残しつつ、かなり丸い音になっているという印象です。

 

本家1073がコーヒーだとしたら、LTD-1はソイラテだなと思いました。

 

...そう思いますよね?

 

...............ね??

 

筆者はソイラテというものを飲んだことがありません。

 

画像④.JPG

 

えー、気を取り直してですね、少し科学的な目線で検証してみたいと思います。

 

ProToolsのSignalGenerator200Hzのサイン波を生成し、ピークで-18dBに設定したものをCARBONLINE OUTからLTD-1に送って、マイクプリアンプで-70の位置まで増幅し、アウトプットノブでトリムしました。

 

また、比較用にオリジナルのNEVE1073をモデリングしたUADプラグインを使用して同様の検証を行いました。

筆者所有のUniversal Audio製オーディオインターフェースApollox8p Gen2)を用い、LINE OUTから出力した200Hzのサイン波をMIC INに配線してUnisonプリアンプとしてNEVE1073プラグインを適用しました。

 

LTD-1検証時と同じくマイクプリアンプで-70の位置まで増幅したものをアウトプットノブでトリムし、Pro Q4のアナライザー上で200Hz部分の頂点が+6dBの位置で一致するよう調整しました。

 

なお、アナライザーの表示設定は画像内に示したように設定しています。

 

 

画像⑤.png

 

画像⑥.png

 

これを見ると、LTD-1NEVE1073と比べて2、3、4次倍音、特に2次倍音が突出して大きく出ることが分かります。また、7、9、1113次倍音も有意に大きくなっているように見受けられます。

 

当然、今回使用したNEVE1073はあくまでプラグインであり、使用しているオーディオインターフェースやケーブル等もLTD-1検証時と異なるため、結果は参考程度となります。

 

しかしながら、今回の検証からLTD-1はオリジナルと比較して「原音に近い帯域では偶数次倍音が、離れた帯域では奇数次倍音が強調される」ということが推定されるのではないでしょうか。筆者は、こうした低い偶数次倍音が「前に出てくる」音を、高い奇数次倍音が「丸い」音を実現しているのではないかと考えました。

 

皆様はどうお考えになるでしょうか。

是非一度現物の音を体感していただきたく思います。

 

――――――――――――――――――――

 

余談ですが、パッチ盤からLTD-1のマイクプリアンプまではOYAIDE PA-02 V2を、パッチ盤からラインプリアンプまでおよび両者のアウトプットからパッチ盤に戻る復路はBELDENのケーブルを使用していますので、音質を損なうことなく信号を伝送してくれます。

 

画像⑦.JPG

 

そしてさらなる余談ですが、マイクプリアンプはモニターディスプレイの真横に角度をつけて設置してあります。

ちょうどあなたと目が合う角度です。

左手を伸ばせば届くので、ストレスフリーな体制でセッティングを追い込んでいただけます。

 

画像⑧.JPG

 

②拡張されたEQ周波数ポイント

 

オリジナルのNEVE1073やそのプラグインを使ったことのある方はご存じでしょう。

 

絶妙な位置に、周波数ポイントが......ない。

 

そんなお悩みを解決してくれるのが、LTD-1

 

ハイシェルフはオリジナルの12kHz固定ではなく、

16k, 12k, 6.8k, 4.7k, 3.3kHz

の5か所から選べます。

 

画像⑨.JPG

 

12kHzを選べばおなじみの効き方をしてくれますし、4.7kHzから上を足してあげればボーカルのハイミッドが丸ごとグッと前に出てきてくれます。

しかし、筆者のおすすめは16kHzから上を2メモリ弱ブーストする使い方。

可聴域の上限ギリギリを持ち上げるからこそ、音の天井がスカーンと高くなってくれます。

例えて言うなら、どんよりしていた天気が雲一つない青空まで一気に晴れる感じです。

 

音源②.wav

 

画像⑩.JPG

 

他にも、ミッドのピーキングバンドは

270, 390, 560, 820, 1.2k, 1.8k, 2.7k, 3.9k, 5.6k, 8.2kHz

10か所から、

 

画像⑪.JPG

 

ローシェルフは

220, 110, 60, 35Hz

と4か所から選択できます。

 

画像⑫.JPG

 

さらに、ハイパスフィルターも

300, 160, 80, 50Hz

と4つの選択肢が用意されており、かゆいところに手が届くEQとなっています。

 

画像⑬.JPG

 

また、筆者おすすめの使い方をもう一つご紹介するとしたら、EQはかけずにEQ回路を通す方法。

前面パネル左側の"EQ"ボタンを押すだけで信号が通る回路が変わり、EQをかけていなくてもわずかに音が変化します。

 

画像⑭.JPG

 

これにより、プラグインには出せない音の広がり、奥行きを確かに与えてくれます。

全体的にかなり個性の強い効き方をするEQという印象なので、初めてお使いの際に迷ったら一旦ボタンだけオンにしてみるというのもありかもしれません。

 

 

 

■おまけ

 

ここまで読んでいただいた方に、さらなる豆情報をご紹介。

当スタジオにはTUBE-TECH CL 1Bというコンプレッサーが常設されています。

 

CL 1Bの詳細は下記リンクから筆者が執筆した別記事をお読みください。

https://www.studionoah.jp/book/2026/04/tube_tech_cl1b/

 

こちらも希少かつ業界で高評価を得る名機なのですが、その真のポテンシャルはLTD-1と組み合わせたときに発揮されます。

 

ボーカルを

U 87 Ai → LTD-1 → CL 1B → CARBON

という回線で録音したサウンドをお聴きください。

なお、LTD-1では先述した16kHzを2メモリ弱ブーストするEQをかけ、CL 1Bは下の画像のようにピークに対処するセッティングを行いました。最大で3dBほどゲインリダクションさせています。

 

音源③.wav

画像⑮.JPG

 

いかがでしょうか。

LTD-1からくる倍音とCL 1Bからくる倍音の絶妙なバランス、格別というほかありません。

 

そんな名機揃いの都立大店REC STUDIOは、1時間5,720円でお使いいただけます。

 

初回ご利用のお客様のご予約はお電話にて承っております。

 

03-3725-0010 (サウンドスタジオノア都立大学店)

 

スタジオの使い方、配線のしかたが分からないという方には、スタッフがお客様のDAWまで音が来るよう配線をお手伝いさせていただく「RECサポートプラン」(1回1,100円)もご用意しておりますのでご安心ください!

 

また、機材の使い方が難しそう、魅力を最大限引き出したいという方には、スタジオノアのプロフェッショナル・レコーディングスタジオ「サウンドアーツ」よりエンジニア派遣をご利用いただくこともできます。

 

ご利用の方は、下記へご連絡ください。

 

03-5731-2111 (サウンドアーツ)

 

皆様の幸せなレコーディングライフを心より応援しています!

 

 

サウンドスタジオノア 都立大店

TEL:03-3725-0010

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