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NOAH NEWS|NOAH College

Pearlが教える スネアドラムの選び方

2013.04.01

19_hyo2-p1.png ドラマーが最初に購入するマイ楽器で一番多いのがスネアドラムだ。そのスネアドラム、いろんな種類があるが一体どうやって選べばいいのか。日本が世界に誇るドラムメーカー「Pearl」に、その選び方を聞いた。スネアドラム購入を検討している人は、ぜひ参考にしてほしい。 19_line.png 1.シェル(胴) 素材によって音が大きく異なるため、自分の求めている音をしっかりイメージしてシェルを選ぼう。 ○ウッド(木)シェル 19_hyo2-p1_1.png ソウル・ファンク・歌モノなどの音楽をメインとする人にオススメ。 ウッドシェルの中でも、さらに素材がいろいろとあるので、その代表的なものを紹介しよう。 メイプル...オールマイティに使え、ソリッドさとあたたかみの調和がとれている。 バーチ...ソリッドでブライトなサウンドが特徴。 マホガニー...鳴り過ぎずふくよかなサウンドで、低音の力強さが特徴。 ※ワンピースシェルって何? 19_hyo2-p1_2.png 通常のウッドシェルは、板を数枚重ねた合板でできているが、一枚板で成形したものをワンピースシェルという。これは、合板に比べ、真円に成形するのが非常に難しく高度な技術が必要となる。サウンドの特徴として、合板と違い、シェル内に余計なグルー(接着材)が入らないことから、シェルの鳴りを素直に伝え、ドライでソリッドなサウンドが得られる。ワンピースシェルは、Pearlではウッドシェルの中では最もスタンダードなメイプル材でラインナップしている。 ※レインフォースメントって何? 19_hyo2-p1_3.png シェルを真円に保つための補強材で、シェルの上下部分に追加して付いている板のこと。その昔は、シェルを均一に成形する技術がなく、ほとんどのドラムにこの補強材が付いていた。シェルの成形技術が進化した現在ではこの補強材は必要ないが、これを付けることでサウンドの芯がより明確となるので、あえてこれを付けたモデルがある。Pearlでは、Masters Premium MMP Seriesに付いている。 ○メタル(金属)シェル 19_hyo2-p1_4.png ロックなどの、パワーを求める音楽にオススメ。 メタルシェルにも素材がいろいろとあるので、代表的なものを紹介しよう。 スチール...金属ならではのサスティンで、パワーもある。メタルシェルの中では、最もスタンダードな素材。 ブラス...明るくきらびやかな音色が特徴。 アルミ...心地よく入り込むアタックで、マイルドな音色が特徴。 19_line.png 2.サイズ ハイタムとロータムの音が全然違うように、サイズによってもかなり音が違ってくる。ここでは、そのサイズの選び方を紹介。 ○口径 スネアドラムは、口径14″(インチ)がスタンダードなサイズとなっており、ほとんどのモデルが14″となっている。それ以下のサイズ(10″, 12″, 13″)もあり、口径が小さくなるほど高音域となりアタック感が強調される。 ○深さ 基本的に、浅胴(5″、5.5″)と深胴(6″、6.5″)の2タイプで分けられており、これらが一般的となっているが、それより浅いものや深いラインナップもある。浅くなればなるほど、スナッピーレスポンスが素早くなり、深くなるほどボリューム感が増す。 ※ピッコロスネアって何? 19_hyo2-p1_5.png 際立って高音域でレスポンスの早いスネアドラムのことをピッコロスネアと呼ぶ。基準として、口径13″以下、深さ4″以下のモデルのことをこのように呼ぶ傾向がある。 19_line.png 3.ラグ 19_hyo2-p1_6.png ドラムヘッドのテンションを支えるパーツのことをラグと呼ぶが、これらはシェルに取り付けられているため、この数量や形状によってもサウンドに大きな影響を与える。 ○数量 スネアドラムの場合、一般的に片面のドラムヘッドのテンションを支える箇所が8箇所(8テンション)か10箇所(10テンション)ある。数量が少ない8箇所の場合、シェルの鳴りを妨げる要素が少なくなるので、よりオープンなサウンドとなり、10箇所の場合、サウンドが引き締まる。 ○形状 大きく分けて、ドラムヘッド上下のテンションを1つのラグで支えるブリッジタイプと、上下それぞれで支えるセパレートタイプの2種類に分けられる。 一般的にブリッジタイプのほうが、ラグとシェルとのトータルの接地面積が小さくなるためシェルの鳴りをオープンに伝え、セパレートタイプは、設置面積が大きくなる分サウンドを引き締める効果がある。 これらはラグのデザインにもより、セパレートタイプでも、ラグを小さくデザインしシェルとの設置面積を少なくすればオープンなサウンドとなり、ブリッジタイプでも、シェルとの設置面積を大きいデザインにすればタイトなサウンドとなる。 19_line.png 4.スナッピー 19_hyo2-p1_7.png スネアドラム本体ではないが、サウンドを特徴づける重要なパーツなので紹介。 ○本数 スナッピーの本数が多いほどよりボリュームのあるスナッピーサウンドが得られ、少ないほどタイトで粒立ちのよいサウンドが得られる。 ○コード(ヒモ) スナッピーをコードで取り付けると、スナッピーのブレが少なくなり、安定したサウンドが得られる。 ○フィルム(テープ) スナッピーをフィルムで取り付けると、スナッピーが適度に揺れることで、暴れる感じのスナッピーサウンドとなる。フィルムはコードに比べ長持ちするのも特徴。 ○ストレイナー 19_hyo2-p1_8.png スナッピーをON/OFFするときのパーツ。大きく分けて、シェルに対して並行に可動するタイプと垂直に可動する2タイプがあるが、並行に可動するタイプのほうが一般的。 最近では、スナッピーのONの状態を完璧にロックするタイプ(Pearl Glide-Lock Strainer)もあり、演奏中でもOFFになる心配がない。 【情報提供:パール楽器製造株式会社 ドラムセクションマネージャー 槻舘恒二】